2023/03/31

ユニークな凄腕女性捜査官ドラマ「クローザー」&「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」の魅力【前編】

2005~2012年まで米TNTにて放送された人気ドラマ「クローザー」。初めて第1話を見た瞬間、それまで見てきた犯罪捜査ドラマのイメージが大きく覆され、「物凄く変わっているけど、物凄く面白い!」と、一気にハマったのを覚えています。

主人公のブレンダ・ジョンソンは、CIA仕込みの尋問のプロで、事件をクローズさせる能力に長けていることから、“クローザー”の異名を持つ凄腕捜査官。
このプロフィールを聞くと、少し怖いくらいのクールな女性を想像しませんか?
確かにブレンダは超有能な刑事なのですが、クールどころかスウィートという形容詞がピッタリの、可愛らしいところが盛りだくさんの女性なのです。

AXNで放送された「クローザー」をシーズン3まで見たか、すでに完走した人ならお馴染みの情報だと思いますが、私が心からオススメしたい大好きなドラマ「クローザー」と、スピンオフ作品「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」に継承される魅力を詳しくお伝えする記事として、まずは基本情報である、ブレンダのキャラクターの解説から始めたいと思った次第です。

アメリカ南部出身のブレンダは、アトランタ市警からロサンゼルス市警に引き抜かれ、殺人特捜班のチーフに抜擢されます。
捜査官と言えば、スーツを着ているイメージですが、ブレンダはピンクや赤、花柄などのワンピース姿で殺人現場にやって来て、強い南部訛りで部下たちに指示を出し、一方的に「Thank you」と言って会話を終わらせます。
チームの面々は、年齢高めの男性が多く、“キュート”なブレンダがいきなりボスとなったことが面白くありません。
だけど、ブレンダの有能さと人柄の良さはすぐに彼らに伝わり、彼女はボスとして認められるようになるのです。

“クローザー”ブレンダは、仕事では本当に凄腕ですが、仕事以外では見事にダメダメです。
片付けができないため、いつも彼女の周りは散らかり放題。方向音痴で、犯罪現場に赴くのも一苦労。スイーツ依存症で、甘いものを手放せません。
そして、大人の女性ですが、両親には頭が上がらず、2人の前では幼い少女のようになってしまいます。
このような特徴を持つ凄腕捜査官を見るのは初めてだったので、こんな面白い設定をよく考え出したなぁと感心しました。
ブレンダにダメなところがある分、親しみがわき、ただの犯罪捜査ドラマにとどまらない魅力が「クローザー」にはあるのです。

何度も言いますが、“クローザー”ブレンダの尋問テクニックは秀逸で、容疑者に取り調べを行う際、鮮やかに自白を引き出します。
「CSI:」シリーズのように、証拠から犯人を割り出すのではなく、あくまで容疑者本人に口を割らせる技を駆使するブレンダ。
ダメダメな部分とのギャップがたまらないです!

ところで、「クローザー」とはタイトルの印象が全く違うので、もしかしたら「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」が「クローザー」のスピンオフ作品だということを知らない人がいるかもしれません。
邦題には“重大犯罪課”と付いているので、「クローザー」をよく知っている人なら関連が分かるのですが、このスピンオフは“クローザー”による“テクニックで事件を解決させる”ストーリーではないので、違う雰囲気のタイトルになっているんですよね。

「クローザー」シーズン4では、ブレンダ率いる殺人特捜班が解散し、重大犯罪課として生まれ変わります。
そして、シーズン5の第3話から、後に「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」の主人公となるシャロン・レイダー警部が登場するのですが、シャロンは最終となるシーズン7ではレギュラーキャラクターとなります。

スピンオフ作品が作られる場合、「CSI:科学捜査班」→「CSI:マイアミ」「CSI:ニューヨーク」など、舞台となる場所が変わったり、「シカゴ・ファイア」→「シカゴ P.D.」「シカゴ・メッド」など、職業の内容が変わったりすることが多いですよね。
「クローザー」と「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」がユニークなのは、舞台は同じロサンゼルス市警の重大犯罪課のまま、登場する顔ぶれもほぼ同じで、主人公だけが変わるところです。
なのに、新たな魅力が生まれ、「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」も「クローザー」に負けないくらい面白いのです!


まず、主人公が“クローザー”ブレンダではなくなることで、事件の解決方法がガラッと変わります。
重大犯罪課の新チーフとなったシャロンは効率的に捜査を進め、時間と費用の削減に努めます。
どうするかと言うと、“司法取引”を武器に事件を解決するのです。
容疑者に同意書にサインをさせ、裁判には持ち込まず、事件を早期に解決するという合理的手段をとるシャロン。
そう聞いても、すぐにはピンと来ないかもしれませんが、実際に「MAJOR CRIMES ~重大犯罪課」を見ると、「クローザー」に続いて、「また新しいスタイルのクライム・サスペンスドラマ!」という印象を受け、私はどんどんハマっていきました。
こちらも、すごく面白いです!

主人公が変わるだけで、周囲の反応や対応も変わり、ドラマ自体の新しい魅力が引き出されていくスピンオフ作品。「これは斬新だ!」と感動しました。

最初は、ブレンダが好きすぎて、シャロンのことをなかなか受け入れられませんでした。
登場した当時、シャロンは悪役のような描かれ方だったからです。
でも、シャロンというキャラクターについて徐々に内面が紐解かれていくうちに、どのような人物なのかを知り、ブレンダに負けないくらい、愛すべきキャラクターになっていきます。

【後編】では、ブレンダとシャロンのキャラクター比較や、彼女たちを取り巻くユニークすぎるチームメンバーを詳しく取り上げて紹介したいと思います。 キャラクターの面白さも「クローザー」シリーズの大きな見どころなので、【後編】もお楽しみに!

(ライター:清水久美子)

※2023年3月31日 情報更新

▼放送情報

ゴールデンウィーク特別企画
クローザー&MAJOR CRIMES 全シーズン 一挙放送
4月28日(金)夜8:00~5月8日(月)昼12:00まで放送予定。

●クローザー(シーズン1~7・全109話)
二カ国語版: 4月28日(金)夜8:00スタート

●MAJOR CRIMES ~重大犯罪課(シーズン1~6・全105話)
二カ国語版: 5月3日(水・祝)夜9:00スタート 
※シーズン5~6はAXN初・先行一挙放送!

AXNのご視聴方法はコチラからどうぞ

画像クレジット:(C) Warner Bros. Entertainment Inc.