2025/10/20

【最新トレンドは?】スペインのコンテンツマーケット「Iberseries(イベリセリエス)」より最新マーケットレポート!

アクションチャンネルよりスペイン語圏のコンテンツマーケットレポートをお届けします!
スペイン・マドリードで2021年より開催がスタートし、今年で5回目を迎える「Iberseries(イベリセリエス)」に、今年もアクションチャンネル編成担当が参加してきましたので、その模様を、コンテンツの最新トレンドとともにお届けします!
スペインの雰囲気も味わえる会場内外のお写真も多数掲載していますので、是非合わせてご覧ください!

「Iberseries(イベリセリエス)」とは?

スペイン・マドリードで開催されるコンテンツマーケットで、正式名称はIberseries & Platino Industria。各国から配給会社、放送局、配信会社等が集まり、コンテンツの売買、出資、共同制作などの取引が行われる見本市です。最新のスペイン語圏ドラマの市況・新作ドラマ情報がいち早く手に入るとても貴重な機会なので、アクションチャンネルでは昨年から編成担当が参加しています。
会場は、マタデロ・マドリードという、アルガンスエラ地区に20世紀初頭に建てられた旧食肉処理場で、現在は、展覧会、コンサートなどが行われる劇場や、映画館がある文化・芸術創造センターとなっています。
今年は、9月30日(火)~10月3日(金)の4日間開催され、参加国50ヵ国、参加者約2,700名と、参加者は年々増加傾向です。出展社としては、スペイン、及びラテンアメリカの配給に加え、韓国の配給も出展していました。

(写真:PLAZA MATADERO マタデロ広場。広大な敷地の中にスタジオ・配給会社のブースがあるほか、テーブルとイスもたくさんあり、ミーティングや食事ができるエリアになっています。)

(写真:ミーティングやネットワーキングスペースとして利用されるNAVE 12(ナベ・ドセ/12号館という意味)

実話ベースや過激な描写が目立つ作品がトレンド

2001年に起きた囚人脱獄事件を描くスリラーや、ユーロビジョンでスペインが初優勝するまでを描くドラマといった、実話がベースの作品が複数紹介されました。
また、どの作品も非常にクオリティが高く、特にスリラーはスペインらしい過激な描写や緊迫した演出がありながらもよく練られた脚本で、第1話だけで映画を1本見たような満足度!
捜査ドラマはダークでヘビーなものも多く、スペインらしいトレンドが見られました。

(写真:会場で人気だったハンバーガートラック。車に書いてある HAMBRE DE CINE Y SERIES は直訳すると「映画とドラマへの飢え」。おなかが空いているという意味の「飢え」と掛けているのだと思われます(笑))

(写真:映像配信サービスMOVISTAR+を運営するスペイン最大の通信会社テレフォニカのビル。通信サービスMOVISTARの旗艦店となっており、最新デバイス等が販売されています。試写室も完備されており、今回はここでスクリーニングが行われました。)

(写真:試写室の周りにある巨大な横長モニターには、イチオシの新作ドラマの看板が。)

グローバル展開を意識したコンテンツ制作の流れ

国際共同制作を通じて市場拡大を図る映画の流れが、テレビ業界でも盛んになっているようです。ヨーロッパの国々との連携はもちろん、韓国との連携で国際的地位をアピールすることや、複数国を舞台にすることで国際展開のきっかけにする流れも。
例えば日本でも2024年に放送されたドラマ「ZORRO」などを制作した、スペインを代表する制作会社Secuoya Studiosは、国内外に創作拠点を分散させた独自の「Pods(ポッド)」モデルを採用しており、欧米各国の制作パートナーと協力して各地域で生まれた作品を世界に広げる取り組みを進めています。2026年には、イギリス向けに同スタジオ初の英語ドラマシリーズを発表する予定だそうです。

(写真:NAVE UNA(ナベ・ウナ/1号館)MAI(Mercado Audiovisual International)=国際映像コンテンツマーケットのブースで、主にスペインや中南米などスペイン語圏を中心に、映画・テレビ業界の企業がブースを出展し、商談を行うエリア。)

(写真:今年は韓国もブースを出展。)

(写真:会場内レストランのテラス席では配給会社主催のブランチ・ランチが開催される。スペインらしい生ハムのサンドイッチは定番。)

韓国の存在感

今年の“Country in Focus”は韓国!KOCCA(韓国コンテンツ振興院)と提携し、スペイン語圏・ヨーロッパとの協業機会創出を目的に、韓国の制作会社8社が代表作をプレゼン。日本でも配信が始まったドラマ「北極星」や「テプン商事」の他、ショートドラマや撮影が始まったばかりの最新ドラマを紹介するピッチが行われました。
KOCCAは韓国の文化産業の国際展開を推進する機関で世界25拠点にオフィスを持っています。2024年にはマドリードに新設し、今回の参加はその連携強化の一環によるもの。

(写真:参加者にはお土産としてタンブラーが配られ、会場内に設置されたウォーターサーバーで水分補給できるようになっています。配給からのお土産でもらうトートバックやノートなどもリサイクルで出来たもの。エコ意識が高い!)

(写真:会場内のレストランCANTINA。ここでもミーティングが行われます。)

(写真:会場内にある映画館CINETECA。メインシアターのSala Azcona、中規模のSala Plató、小規模のSala Borauがあり、ここで試写やプレゼンテーションが行われます。)

(写真:スペインで最も人気の高いビールブランドの一つMahou(マオウ)が出しているフード&ドリンクスタンド。ビールも販売していました。)

今のトレンドもわかる?紹介コンテンツを一部ご紹介

紹介されていたコンテンツの中から際立った作品をいくつかご紹介したいと思います。
※アクションチャンネル放送予定作品ではございません。

33 days(スペイン)

実録犯罪ジャーナリストのカルレス・ポルタにより、2001年にスペインで実際に起きた事件を元に制作された作品。2人の脱獄囚を追う警察による33日間に及ぶ追跡劇を描くアクション・スリラー。

The Nameless(スペイン)

特別な能力を持つ娘を悲劇的な形で失ったクラウディア。数年後、死んだと思っていた娘から電話がかかってきたことで、再び娘の足跡を追っていくサイコロジカル・スリラー。

El Centro(スペイン)

スペイン国家情報センター(CNI)を舞台にしたスパイ・スリラー。CNI内部で殺人事件が発生。ロシア情報機関による国際的な工作活動が明らかとなり、CNIのメンバーたちは時間との戦いの中でその陰謀を暴こうと奮闘する。

La caza IRATI(スペイン)

サイコロジカル・スリラー“THE HUNT”シリーズのシーズン4。イラティの森を舞台に、環境活動家の殺人事件を捜査する。

La Frontera(スペイン)

1987年、スペイン内務警察の隊長が、パリでETA(バスク分離主義組織)によるテロ計画を察知。政府が動かない中、彼はフランス人警官と共に独自に捜査を始める。しかし、その相棒こそETAの一員だった――。裏切りと信念のはざまで、2人の男が国境を越えて真実に挑むスリラー。

Vanished(スペイン)

ジョンという若者が友人たちと山で過ごした一夜の後、忽然と姿を消すという謎の事件を描くスリラー。彼が残した唯一の手掛かりは、失踪の数時間前に自身のSNSに投稿された不穏な映像であり、その映像は瞬く間に拡散される。友人たちは衝撃と悲嘆に包まれるが、それぞれが彼に対して秘めた恨みを抱えていた。

Terra Alta(スペイン)

2019年プラネータ賞受賞作家ハビエル・セルカスによる同名小説を映像化したクライム・スリラー。平穏な街テーラ・アルタで複数の事業主が殺害される凄惨な事件が発生する。地元警察のメルチョル・マリンは捜査にあたるが、自身も元犯罪者という暗い過去を隠していた。主演は「エリート」「ZORRO」のミゲル・ベルナルデアウ。

Neuer(スロバキア)

実際に起きた事件に着想を得たベストセラー小説が原作のクライムドラマ。ブラチスラヴァを舞台に警察による過酷な捜査が描かれる。

 

(写真:会場マタデロ・マドリードにある歴史的なウォータータワー。)

(写真:PLAZA MATADERO 内のコーヒートラック。書いてあるスペイン語は、「食べる、飲む、眠る、映画、TVシリーズ、繰り返す…」という意味。)

最後に

いかがでしたか?
世界的にヒットするドラマや映画といえばハリウッド発という時代はすでに過去のものとなり、いまやグローバル市場で通用する作品が世界各国から次々と生まれています。中でもスペインは、「ペーパー・ハウス」が世界的ブームを巻き起こすなど、韓国と並んで“ハリウッドのグローバル化”をリードしてきた国の一つです。今回のイベリセリエスでも、各スタジオや配給会社が自社作品に強いプライドを持ち、熱量のこもったプレゼンテーションを行っていたのが印象的でした。そしてその熱量に劣らず、どの作品も完成度が高く、スペイン作品のクオリティの高さを改めて感じることができました。アクションチャンネルでも「エクスプレス誘拐特別捜査チーム」や「マドリード失踪人捜査課」といった話題のスペイン作品を放送中です。もし“スペイン作品はちょっと違うかも…”と食わず嫌いしていた方も、この機会にぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
スペイン作品だけでなく、今後も皆様に選りすぐりのアクション海外ドラマをお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します!

 

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