2024/04/07

【海外ドラマ好きにおすすめ!】ドラマで観てみたいおすすめの海外アクション小説9選

頭の中で映像を想像しながら小説を読むという方も多いのではないでしょうか。「もし、ドラマ化するなら…」とキャスティングやロケ地などを具体的にイメージして読み進めるのってとてもワクワクするもの。お気に入りの小説はじっくりと描かれるドラマシリーズ観てみたい。そんな海外ドラマ好きにおすすめのドラマで観てみたい海外のアクション小説をご紹介します。

『樹海戦線』

J.C.ポロック(著) 沢川進(訳)
出版社(レーベル):早川書房

戦闘冒険小説の名作。サイドストーリーもあるのでスピンオフなども期待できるような流れが海外ドラマ好きの心をくすぐります。

CIA内部に潜むソ連の大物スパイ。その正体を暴く情報を持つために、元グリーンベレー隊員のスレイターは暗殺者に命を狙われ始めた。件のスパイを調査していたグリーンベレー時代の彼の指揮官は抹殺され、同じ情報を持つ戦友たちも標的に。激闘の末、なんとか生き延びたスレイターと戦友パーキンズは、武器・弾薬を集めてカナダの森林地帯に入り、敵を迎え撃つ作戦に出る。しかし、そこに送り込まれてきたのは、ソ連が誇る特殊戦闘部隊の精鋭だった!

元グリーンベレーのポロックによる描写は、細部にまで気遣いが行き届きとてもリアル。相手がどこに潜んでいるのか分からない、カナダの森林地帯での戦闘は緊張感いっぱいの駆け引きが展開。2人VS12人。圧倒的有意な敵を打ち破る方法を解説付きでじっくりと映像で観てみたい。

『深夜プラス1〔新訳版〕』

ギャビン・ライアル(著) 鈴木恵(訳)
出版社(レーベル):早川書房

大西洋岸からフランスとスイスを縦断し、目的地まで男を送り届ける依頼を受けた腕利きドライバーのルイス・ケイン。だが行く手にはフランス警察や謎の敵が立ちはだかる。タイムリミットまでに目的地へ到達できるのかーー。

警察の網から逃れ襲いかかってくる殺し屋からの襲撃。ノンストップ・アクションにタイムリミットありでハラハラドキドキの展開に。元レジスタンスの闘士ケインの護衛役を担当し、相棒となるのが元シークレットサービスで腕利きのガンマン、ハーヴィー・ラヴェル。ラヴェルは「ルパン三世」の人気キャラクター・次元大介のモデルにもなったキャラクターと言われています。シトロエン、ロールスロイスを乗り継ぎフランス、スイスの国境を越える。警察、殺し屋、黒幕など、個性豊かな登場人物織りなすハードボイルドなバディドラマ。ラストの別れまで粋な感じがたまりません。

『極大射程 上巻』

スティーヴン・ハンター(著) 佐藤和彦(訳)
出版社(レーベル):新潮文庫

主人公ボブ・リー・スワガーは隠遁生活を送るヴェトナム戦争の英雄、伝説的スナイパー。彼のもとにある依頼が舞い込む。それは新たに開発された銃弾の性能をテストしてほしいというもの。しかし、それはボブを嵌める罠。恐るべき陰謀に巻き込まれ、無実の罪を着せられたボブは、FBI捜査官のニックとともに、事件の真相を暴き、陰謀の黒幕に迫る!

愛と名誉を守る戦いを描く本作は、宝島社「このミステリーがすごい!」で2000年度の海外小説部門1位となった人気小説。2007年にマーク・ウォールバーグ主演で『ザ・シューター/極大射程』として映画化されています。 加えて、マーク・ウォールバーグが製作総指揮として参加したテレビドラマシリーズもあります。 ボブ・リー・スワガー三部作、およびボブ・リー・スワガー・シリーズは、原作もたっぷりある物語だからこそ、 映画でもドラマでもじっくりと堪能したいもの。プロフェッショナルな男たちの頭脳戦にしびれます。

『全滅領域』

ジェフ・ヴィンダミア(著) 酒井昭伸(訳)
出版社(レーベル):早川書房

突如として世界に出現した謎の領域〈エリアX〉。そこでは生態系が異様な変化を遂げ、拡大を続けていた。監視機構“サザーン・リーチ”に派遣された、生物学者をはじめ女性4名からなる調査隊は領域奥深くに侵入し、地図にない構造物を発見。さらにそこに潜む未知の存在を感知。進むべきか引き返すべきか。無事に帰還できた隊は過去にはいないーー。

ナタリー・ポートマン主演で2018年に『アナイアレイション -全滅領域-』として映画化されています。“サザーン・リーチ”三部作の第一巻。登場人物の名前が語られず、監視機構“サザーン・リーチ”のチームは生物学者、心理学者、人類学者、測量技師が各々の任務をこなしていきます。淡々とした語り口調が未知との遭遇にスリルをプラスします。この得体のしれないハラハラドキドキはドラマシリーズでじっくり長く味わいたい!

『老人と宇宙』

ジョン・スコルジー(著) 内田昌之(訳)
出版社(レーベル):早川書房

75歳の誕生日に亡き妻の墓参りをしてから軍隊に入ったジョン・ペリー。入隊したのは地球には二度と戻れないという条件で、75歳以上の男女の入隊しか認めないコロニー防衛軍。銀河の各惑星に植民をはじめた人類を守るために、コロニー防衛軍は姿形も考え方も全く異質なエイリアンたちと熾烈な戦争を続ける。

老人が軍隊に。どんな闘いを繰り広げるのかと思ったら、相手はエイリアンというSFもの。ユーモアを忘れないタフガイのジョンに感情移入。なぜ老人を兵隊として雇用するのか。その説明も含めて設定が面白い。テクノロジーの進化でこんな未来がやってくる。いや、現実に迫っているかもしれないなどとワクワクしながら、時にセリフや設定に共感しながら楽しく読み進められます。いろいろな惑星で闘いを繰り広げてほしい!

『鉄血作戦を阻止せよ』

S.L.トンプスン(著) 高見浩(訳)
出版社(レーベル):新潮文庫

祖国再統合を目差す東西両ドイツ軍の一部の将兵が、ソ連とアメリカの核ミサイル基地を占拠した。乗っ取られた早期警戒機E3Gの監視によって手も足も出せない米英仏ソ四軍に出された要求は「24時間以内にドイツから完全撤退せよ」。再びポツダムの軍事連絡部に帰ってきたマックス・モスのドライブ・テクニックが冴える!

著者が元レーシング・ドライバーなので、カーチェイスシーンに迫力あり。『A-10奪還チーム出動せよ』『サムソン奪還指令』に続く「奪還チーム」シリーズ第3弾です。飛行機や自動車などに関するマニアックな描写もGOOD。

『暗殺者の追跡 上』

マーク・グリーニー(著) 伏見威蕃(訳)
出版社(レーベル):早川書房

グレイマンと呼ばれる凄腕の暗殺者ジェントリー。彼の乗るジェット機がイギリスの空港で襲撃され、CIAが捕らえた銀行家が連れ去られた。アメリカでは元SVR(ロシア対外情報庁)将校ゾーヤのいる秘密施設が襲撃されて……。

主人公は見えない男、通称グレイマン。デビュー作であり「グレイマン」シリーズ第1作の『暗殺者グレイマン』がいきなりベストセラーに。グリーニーはトム・クランシーの人気小説「ジャック・ライアン」シリーズの共著者でもあり、クランシー亡き後、シリーズに登場したドミニク・カルソーを主人公とした「機密奪還」を発表。以降、単独で同シリーズを手掛けています。ライアン・ゴズリング主演、クリス・エバンス共演で映画化されましたが、シリーズ12作まで続いている「グレイマン」シリーズはぜひともドラマでじっくりと味わいたい作品のひとつ。

『熱砂の果て』

C・J・ボックス(著) 野口百合子(訳)
出版社(レーベル):東京創元社

猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイトのもとへ、政府の男たちが人質を取って現れた。彼らはネイトの容疑を抹消することと引き換えに、州南部の砂漠地帯で大規模テロを計画している可能性がある男の動向を探り出せと要請。ネイトは引き受けざるを得なかったが、この件に裏がないはずがない。一方のジョーは、ネイトが失踪したとの情報を得て砂漠地帯へ向かうーー。

「ジョー・ピケット猟区管理官」シリーズ屈指の大迫力アクションが展開します。猟や釣りなどの許可証を出したり、自然保護、野生動物の管理をする猟区管理官が、麻薬事件、暴力事件、殺人事件にまで遭遇する人気シリーズ。本作ではすっかりバディとなったネイトが冒頭から大活躍です。

『黒き荒野の果て』

S・A・コスビー(著) 加賀山卓朗(訳)
出版社(レーベル):ハーパーコリンズ・ジャパン

裏社会の伝説のドライバーだったボーレガードは足を洗い、自動車修理工場を営んでいた。工場の経営が傾きだし、金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは、宝石店強盗の運転役で……。

ボーレガードは元伝説のドライバー。自動車を知り尽くす男が手に汗握るカーアクションを展開します。愛する家族を守るためにボーレガードがすべきこととは。人生のつらい現実。それは自分が招いたものであり、自分自身の決断でもある。表と裏。二つの世界で揺れ動くボーレガードの葛藤、社会的背景などをじっくりとドラマで描いてほしい作品です。ハードボイルドテイストの会話も魅力です。

まとめ

カーアクション、ガンアクションなどド派手なアクションはやっぱり海外ドラマで観たいですよね。そしてドラマで観るなら、アクションとともに人間模様をじっくり描いてほしいもの。人気ジャンルでもあるアクションドラマ。新たなハラハラドキドキとの出会いに期待しながら、アクション小説を楽しんでみてはいかがでしょうか。

タナカシノブ
2015年9月よりフリーライターとして活動中。映画、ライブ、歌舞伎、落語、美術館にふらりと行くのが好き。