2024/01/04

【美しい風景×ポリス・アクション】フランス アクションドラマ おすすめ作品見どころ紹介

はじめに

今回は、アクションチャンネルで放送中の数多のアクションドラマの中からフランス発のアクションドラマを3作品ご紹介します!フランスの複雑な警察事情が垣間見える硬派な刑事ドラマ『リサーチ・ユニット~ボルドー重犯罪部』や、長いこん睡状態から目覚めた男の過酷な戦いを派手なアクションとともに描く『刑事ファルコ 失われた22年』、そして来年(2024年)アクションチャンネルにて独占日本初放送となる2023年の新作ドラマ『警部補カミーユ カンヌ捜査ファイル』の3作品の見どころをまとめてみました。

①リサーチ・ユニット~ボルドー重犯罪部

最初にご紹介するのは、フランス最大手の民放局TF1で2006年に放送がスタートして以来、ロングランヒットを続ける人気刑事ドラマ『リサーチ・ユニット~ボルドー重犯罪部』です。フランス国家憲兵隊の特別部隊であるボルドー重犯罪部の捜査官たちを主人公に描いています。凶悪犯罪を地道に捜査する捜査官たちの活躍を描く硬派なドラマで、本国フランスではすでに160話以上のエピソードが放送されています!

【登場人物はフランス国家憲兵隊のエリートチーム】 

捜査官、科学捜査班、コンピュータの専門家など、幅広い分野のエキスパートが集まる精鋭部隊であるボルドー重犯罪部ですが、主人公のベルニエ准尉をはじめ、チームのメンバーはみなフランス軍の階級を持っています。フランスにおいて、国家憲兵隊と国家警察はそもそもの直属組織が異なるようで、このドラマではそういった複雑なフランスの警察組織についても描かれています。個人的には、非常に新鮮な視点だと思いました。ドラマや現実世界においても「管轄が違う」ということはあると思いますが、ここまで大きな違いがあるのも珍しいかなと。そういった意味でも、一見の価値ありのドラマだと思います。

【捜査に役立つけど頭痛の種でもあるベルニエ准尉の“ビジョン”】

ベルニエ准尉は、“ビジョン”という特殊能力の持ち主で、事件の被害者の身に起きたことを瞬間的に目の当たりにできるのですが、この能力が事件捜査に大きく貢献できる一方、ほかの人には理解できない能力であるがゆえに誤解を招きやすい一面も。単独行動が多いことから、ボスである大佐からもたびたび警告されてしまうベルニエですが、エピソードを重ねるごとに、チームのメンバーと深い信頼関係を築いていきます。

【チームの力で事件を解決!地道な捜査と検証が輝く硬派な刑事ドラマ】

本作ではほかにも、心理学に精通する新入り隊員のデルマス曹長や、ベルニエ准尉の上司でありよき友人でもあるゲマラ隊長などなど、個性豊かなメンバーも活躍します。チームメンバーの役割分担がはっきりしているので、メインキャストそれぞれが活躍する刑事ドラマが好きな方は要チェックです!このドラマに登場するパトカーはいつもなかなかに荒っぽいカーアクションで容疑者を追いかけるので、ついつい手に汗握ってしまいます。基本的には足で捜査する昔ながらの刑事ドラマという感じなのですが、そこだけ急にアクション映画ばりのスリリングなシーンになりますから、気になる方はぜひドラマの中でご確認ください。

シーズン1字幕版:1/7(日)昼12:30から 全4話一挙放送
シーズン2字幕版:1/14(日)昼12:30から 全8話一挙放送
シーズン3字幕版:1/21(日)昼12:30から全10話 先行一挙放送
シーズン4:1/28(日)昼12:30スタート 第1~7話、 2/4(日) 第8~14話 放送予定
シーズン5:2/11(日)、2/18(日)放送予定

リサーチ・ユニット~ボルドー重犯罪部|アクションチャンネル

②刑事ファルコ 失われた22年

続いてご紹介するのは、ドイツで2010年から2014年にかけて製作された『DER LETZTE BULLE(英題:The Last Cop)』のフランス版リメイク作品である『刑事ファルコ 失われた22年』です。愛する妻と生まれたばかりの娘と暮らす順風満帆な日々を送っていた若手刑事アレックス・ファルコが、ある日相棒のジャン・ポールとともに踏み込んだ事件現場で、頭部に銃弾を受けてこん睡状態になってしまうという衝撃の幕開けで始まる本作。次に彼が目を覚ますのはなんと22年後。すっかり様変わりした世界に衝撃を受けるファルコでしたが、若き相棒の警部補シュバリエとともに再び事件捜査に乗り出していきます。

【フランスの人気俳優サガモア・ステヴナンが主人公を熱演!】

主人公のファルコを演じるのは、サガモア・ステヴナン。フランスの人気コミックを映画化した2003年公開の『ミシェル・ヴァイヨン』で主人公を演じ、同じく2003年公開の映画『ジェヴォーダンの獣』でも主演を務めました。後者は18世紀のフランスを震撼させた獣「ジェヴォーダンの獣」による襲撃事件を忠実に映像化した作品であり、彼の父親で同じく俳優のジャン=フランソワ・ステヴナン(『防寒帽』『ミュシカ』など)と親子主演を果たした作品としても知られています。2021年には、イギリスの大ヒット刑事ドラマ『刑事ジョン・ルーサー』のフランス版リメイク作品『Luther(原題)』にも出演しています。

【過酷な運命にも心を折らない主人公を応援したくなる】

ドラマのスタートからして主人公に厳しい世界線であることは感じていただけたかなと思いますが、本当にファルコには何かと過酷な運命が待ち受けています。神様はよほどファルコの心をへし折りたいのか、シーズンごとに毎回これでもか、というほどつらい試練がやってくるので、思わず観ている側が「もう勘弁してやってくれよ」と思わずにはいられません。しかし、そんな視聴者の心とは裏腹に、ファルコは強い男です。22年間もこん睡状態だったとは思えないほど、過酷なリハビリを経て体力を取り戻した彼は、持ち前の鋭い直観と観察力、そして刑事としての卓越した技術でもって、ブランクを感じさせない活躍を見せてくれます。ふとした瞬間に背中に漂う哀愁ごと応援したくなる、そんな熱い男なのです。

字幕版:2/25(日)昼 12:30 から一挙放送 3 週連続

刑事ファルコ 失われた22年|アクションチャンネル

© MMXII Beaubourg Audiovisuel / Depot Legal 2013

③警部補カミーユのカンヌ捜査ファイル

最後にご紹介するのは、2023年にアメリカAcorn TVとフランスTF1で放送(&配信)されたばかりの新作ドラマ『警部補カミーユのカンヌ捜査ファイル』。フランス南東部の地中海に面する美しい街カンヌを舞台に、警部補カミーユが、相棒のレア、そして謎めいた男ハリーの助けを借りてさまざまな凶悪事件の解決に挑むポリス・アクションドラマです。

【南フランスの美しい街カンヌが舞台】

カンヌといえば、カンヌ国際映画祭の開催地としても知られる高級リゾート地ですね。すべてのシーンをカンヌで撮影した本作では、高級ヨットが立ち並ぶ広大な波止場や、有名な観光地クロワゼット通りなど、カンヌといえばここ!という名所も数多く登場します。仕事一直線で責任感の強い刑事カミーユと、飄々とした態度でリッチな人々の間を渡り歩き、しかしその正体も目的も謎に包まれた男ハリーという凸凹コンビ、さらにはカミーユが最も信頼する相棒のレアという個性豊かな面々が織りなすストーリーも見どころ。第一話には『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』のアストリッド役でおなじみ、サラ・モーテンセンがゲスト出演していますよ!

【世界各国の人気キャストが勢ぞろい!】

主人公のカミーユを演じるのは、フランスを中心に活躍するリュシー・シュカ。フランスで2010年の放送開始以来ロングランヒットを続けるコメディドラマ『Clem(原題)』で主演を務めています。2016年公開の映画『ポルト』では、年下のアメリカ人男性と一夜の関係になるも、自由を愛するがゆえに彼を突き放すフランス女性マティを演じました。

カミーユの行く先々に現れては、捜査のヒントを小出しに渡してくる謎の男ハリー役を務めるのは、ジェイミー・バンバー。2009年にサターン賞(最も優秀なSF・ファンタジー・ホラー作品に贈られる賞)を受賞した『バトルスター・ギャラクティカ』(2004-2009)では、ギャラクティカ戦闘機隊の隊長リー・アダマ役でレギュラー出演!『LOW&ORDER:UK』や『ストライクバック:極秘ミッション』など数多くの作品に出演しているので、海外ドラマファン的にはおなじみの俳優さんかもしれませんね。個人的には、『NCIS』シーズン12から登場した、ビショップの夫ジェイク役が印象に残っています。2023年にスタートした大ヒットミステリーのスピンオフ『ミステリー in パラダイス番外編 警部補グッドマンの事件簿』にもレギュラー出演していますよ!

【カミーユとハリー、それぞれの抱える物語の行く末は?そして気になりすぎる三角関係……】

カンヌの街で次々と起こる凶悪事件を解決しながら、カミーユは汚職の罪で投獄されてしまった前警察署長である自分の父親の無罪を証明するために奮闘します。一話完結の事件捜査パートと、物語全体にかかわる大きな陰謀を少しずつ解き明かしていくパートのバランスも良く、とっつきやすい刑事ドラマを探している方におすすめしたい作品ですね。最初のうちはハリーのことを100%曇りのない疑いの目で見ていたカミーユが少しずつ彼との心の距離を縮めていく、という雰囲気かと思いきや、実は相棒のレアもカミーユに対してなにやら意味ありげな視線を送っているような……。メインキャラクターたちの間で巻き起こるかもしれない三角関係からも目が離せません。もちろんアクションも第一話からかっ飛ばしていて、カンヌの美しくも細い海岸沿いの道を二人乗りバイク(いちおうヘルメットは着用)で爆走しながら容疑者を追跡するシーンは圧巻です。

字幕版:2/11(日)夜 7:00 から全 6 話一挙放送

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最後に

今回は、フランス発のアクションドラマを3作品ご紹介しました!近年はより幅広い国や地域のドラマが続々と日本に上陸しており、選択肢が広がっていく喜びを感じる日々ですが、その分「何から見ようかな」と迷ってしまうこともあるかと思います。今回ご紹介したのはフランスならではの魅力が詰まった3作品ですので、新たなドラマ発掘の参考にしていただけたら嬉しいです。

(文:うりまる)

うりまる
2017年ごろから海外ドラマ・映画について執筆中。ミステリー作品ならなんでも好きですが、特にまったりとした(COZYな)ミステリーが好きです。