『ウルフ・ホール』の主演マーク・ライランスに注目 ロンドン最新舞台は『Farinelli and the King』はオペラ歌手とスペイン王の逸話
2015/10/27(火) 07:26pm
1月からAXNミステリーで放送が始まる『ウルフ・ホール』。英国史のチューダー朝を背景に、ヘンリー8世と周囲にうずまく政治策略、貴族の権力争いを、王の側近であったトマス・クロムウェルを主人公に起き描いたヒラリー・マンテルの歴史小説だ。原作は古典英語を現代人にも分かる程度に織り込んだ原文英語の流暢さと美しさが大の魅力。また史実の人物を現実的にいきいきと描くことで、熱い人間ドラマに仕上がっている。続編『BRING UP THE BODIES』(罪人を召し出せ)が出版されたあとに、ロンドンで舞台化された。これを筆者は見たが、原作にあった興奮に欠けていて少々落胆した。それだけに、BBCがドラマ化すると聞いたときの嬉しさはひとしお。完成作(イギリスでは今年1,2月放送)は、期待に十二分に応える素晴らしいものだった。ヘンリー8世を赤毛のダミアン・ルイス(『ホームランド』)が、トマス・ウルジーをジョナサン・プライスが、スティーヴン・ガーディナーをマーク・ゲイティス(『SHERLOCKシャーロック』)、アン・ブーリンをクレア・フォイが、またフランス大使をマチュー・アマルリックが・・・と役柄にぴったりのキャスティングだけでも、そのハマリ具合に感激。この豪華キャストの中心で主演トマス・クロムウェルを演じるのがマーク・ライランスだ。