2025/10/31

舞台はチームで生きる──現役ミュージカル俳優が語る「全てを良きことにする力」

数多くの最強チームが活躍するアクション海外ドラマをお届けしているアクションチャンネルでは、「最強チームのつくりかた」について、ビジネスやスポーツの現場で組織運営や人材育成に取り組む方々にインタビューする企画をスタートしました。
第二弾は、元劇団四季俳優で、現在は音楽座ミュージカルで俳優・チーフプロデューサーとして活動している藤田将範さん。“Show must go on” ――何が起きても止められない舞台の世界で、藤田さんが感じたチームで支え合う力とは。

<プロフィール>

藤田将範(ふじた まさのり)

日本大学藝術学部演劇学科在学中に、劇団四季に入団。退団後、2004年から音楽座ミュージカルに参加。「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ」ミラ・ゼス・早瀬、「21C:マドモアゼル モーツァルト」シカネーダー、「7dolls」デュクロ博士などで出演。圧倒的な歌唱力に加え、個性的な役柄も見事に表現する演技力も魅力。俳 優・チーフプロデューサーとして活動しながら、様々なワークショップのファシリテーターとしても活躍している。

想定外の状況で試されるチームの真価とは

どのような場面で「チームビルディングの重要性」を感じますか?

藤田将範さん(以下、敬称略):
想定外の出来事が起きた時、そのチームの真価が問われます。
舞台の世界では「Show must go on」という言葉があり、本番中は何があっても幕を下ろすことはできないという意味です。
2011年、『星の王子さま』を原作にした舞台「リトルプリンス」の公演中のことです。開幕して10分後、主役の王子役の俳優が肉離れを起こして立てなくなりました。それでも芝居は続きます。中断して打ち合わせをすることもできません。急遽ダンスフォーメーションを変更し、休憩後の第2幕では別の役で舞台に立っていた俳優が王子役を務めました。
ひとりひとりが自分のやるべきことを見極めて、瞬時に繋がって行動する――。チーム共通の目的が共有され、それぞれのミッションが明確であるからこそできることです。舞台に限らず、日常は想定外の連続です。日頃のチームビルディングのあり方が試されていると思います。

お互いを補い合い「唯一無二」を創るチーム力

チームビルディングが組織にとって重要な理由は何だと思いますか?

藤田:
人間はひとりだととても危うい存在です。チームがあるからこそ、自分至らなさに気づき、その弱さをも活かすことができるのだと思います。チーム力を高めることは、そんな危うい存在が生き残るためにとっても重要です。
「とってもゴースト」という作品の主人公・入江ユキは、世界進出を目前に控えたファッションデザイナー。実力と美貌を兼ね備えた彼女ですが、傲慢極まりない態度は彼女を支えているチームメンバーの反感を買っています。そんな彼女が交通事故に遭い、帰らぬ人に。生前孤独だった彼女は死んで初めて自分の至らなさに気づいていくという作品です。
人はそれぞれに弱みや欠点を持っています。誰ひとりとして完璧な人間はいません。音楽座ミュージカルのメンバーもみんなそれぞれに欠点だらけ。しかし互いにその欠点を認め、弱みを受け入れ、掛け合わせることで唯一無二の作品を生みだすチームになれるのだと信じています。

危機を回避するために、チームだからこそできること

チームづくりにおいて、最も大切にしていること、また「これはやってはいけない」と考えていることがあれば教えてください。

藤田:
見て見ぬふりをしないことだと思います。
アガサ・クリスティーの『春にして君を離れ』を原作に2018年に初演した「SUNDAY(サンデイ)」の主人公は、旅中に足止めを食い、日がな一日何もすることがない日が続いたことで、これまでの人生で自分が見たいように見てきたこと、見て見ぬふりをしてきた現実に初めて向き合います。この作品を見るといつも主人公に自分を重ねてドキドキしてしまいます。まぁいいかと思っていたことが命取りになり、自分に都合よく考えていたことには必ずしっぺ返しを食らうものです。
チームだからこそ、日常の些細な違和感を指摘し合い、自分が見たいように見てはいないか我が身を振り返ることが重要です。

「寄せ集め」からの再始動。生き方を通して教わったこと

これまでに「チームづくりで最も苦労したこと(それをどう乗り越えられたか)」や「失敗から学んだこと」があればお聞かせください。

藤田:
音楽座ミュージカルは一度カンパニー活動を休止していた時期があり、2004年にカンパニーという形で再始動を切りました。私はその時のスタートメンバーなのですが、当時のメンバーは別の劇団にいた人、色々なプロデュース公演に出ていた人、学校を卒業してすぐにきた人など、絵に描いたような寄せ集め状態。そんな中で再始動一作目となる「21C : マドモアゼル モーツァルト」の稽古が始まり、それがものすごく大変で……(笑) やりたいこと、いいなと思っていることがバラバラだし、都合の悪いことがあるとみんな人のせいにする――。創作現場は毎日大混乱でした。
ただひとり、今は亡き音楽座ミュージカルのファウンダー・相川レイ子だけが強烈な意志を持ってメンバー全員と本気で向き合い、作品を形にしていったのです。生半可な関わり方ではチームで成果を出すことはできないのだと、自らの生き方を通して教えてくれたのがファウンダーです。

チームに必要な人材と憧れるリーダー像

理想のチームを作るために、どのような役割やタイプの人が必要だとお考えですか?

藤田:
自分ではなく、チームのことを一番に考えることができる人が必要だと思います。
音楽座ミュージカル「メトロに乗って」に、闇市を取り仕切るアムール一家というチームが出てきます。彼らの計画が頓挫してしまい意気消沈する一同ですが、真っ先に立ち上がりみんなを奮い立たせるお時という女性が登場します。彼女の励ましにみんなが勇気づけられて大ダンスナンバーになっていくのですが、みんなが元気になるとお時はその様子を少し離れたところで見守るのです。一番しんどい時には率先して強いリーダーシップを発揮し、みんながやる気になったら他の人間に全てを託して見守る側に立てるお時の姿はファウンダーの相川レイ子そのものだと思います。
私が私が!ではなく、いつもチームのことを一番に考えられるリーダーに憧れますね。

積み重ねた稽古の先に見えた世界

チームワークを描いた映画・ドラマ・漫画・アニメ・書籍などの中で、印象に残っている作品があれば教えてください。

藤田:
自分が出演した音楽座ミュージカルの中で最もチームワークを必要としたのが、ポール・ギャリコ著『七つの人形の恋物語』を原作にした「7dolls」。私はこの中で七つの人形のうちの一体、ペンギンの人形・デュクロ博士という役を演じました。七つの人形は全てひとりの人形遣い・キャプテンコックが操っているという設定なので、人形役を演じる七人には高度なチームワークが求められます。それぞれの個性を尖らせながら表現する場面があったり、あたかもひとりであるかのように振る舞う場面があったり。人形役を人間が演じるだけでなく本物の人形も登場するため、デュクロ博士の人形とも呼吸を合わせる必要があるのです。
稽古が進み本番が近くなると不思議な連帯感ができてきて、テレパシーのように何かが通じ合うようになります。作品を通して不思議な体験をたくさんさせてもらっています。

最強のチームを支えるひとつの共通点

最後に…ご自身が考える「最強のチーム」に最も必要な要素を一つ教えてください。

藤田:
全てを良きことにする力だと思います。
2027年に音楽座ミュージカルは40周年を迎えます。私が参加してからの約20年の間にも色々なことがありました。もうこれは無理じゃない!?って思うことも何度かありましたが、今年もこうして公演を続けています。ファウンダー、そして現代表・相川タローという我らがリーダーに共通してあるのは全てを良きことにしようという強い意志と、周りをその気にさせてしまう超ポジティブなエネルギーです。これからも想像を超える試練が待ち受けているでしょうが、それをも含めて良きことに変えてこれからも音楽座ミュージカルの歴史を積み重ねていきたいと思います。

次回予告

次回は、【「最強のチームのつくり方」Vol.1インタビュー】にお答えいただいた元プロ野球選手・坂口智隆さんのインタビュー後編を公開予定です。どうぞお楽しみに!

チケット好評発売中!

■ 公演タイトル

音楽座ミュージカル「リトルプリンス」

■ クレジット

原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『星の王子さま』
脚本・演出:相川タロー・ワームホールプロジェクト
音楽:高田 浩・金子浩介・山口琇也
振付:KAORIalive

■ 受賞歴

平成五年度文化庁芸術祭賞
第三回読売演劇大賞優秀女優賞
第三回読売演劇大賞優秀スタッフ賞
第六回読売演劇大賞優秀スタッフ賞
第26回 日本照明家協会賞舞台部門優秀賞
東京芸術劇場ミュージカル月間優秀賞

◼︎ 各公演名・日程・開演時間・会場

【東京公演】
IMM THEATER
11月14日(金)19:00
11月15日(土)12:00/17:00
11月16日(日)13:00

【広島公演】
はつかいち文化ホール ウッドワンさくらぴあ 大ホール
2025年11月29日(土)11:00/16:00

※チケット販売状況は各チケットサイトにてご確認ください

【撮って出し】「リトルプリンス」ミュージカルナンバー【期間限定】王子:森彩香 飛行士:安中淳也 花:岡崎かのん

 

最強チームのつくりかた

数多くの最強チームが活躍するアクション海外ドラマをお届けしているアクションチャンネルでは、「最強チームのつくりかた」について、ビジネスやスポーツの現場で組織運営や人材育成に取り組む方々にインタビューする企画をスタートしました。
本企画では、スポーツ、ビジネス、エンタメなど、様々な分野で卓越したチームワークを築いてきた方々にお話を伺いながら、「最強のチーム」を生み出すヒントを探っていきます。
今後、随時更新してまいりますので、お楽しみに!

>>詳しくはコチラ

最強チーム・アクション特集

バディやチームの総力戦で難事件に挑む世界のクライム・アクションを、10月に続き2ヵ月連続でお届けする特別企画!【11/26=いいチームの日】がある11月は、ハリウッドの大人気シリーズをお届け!「イコライザー」ファイナル・シーズンが日本初上陸する他、「シカゴ・シリーズ」最新シーズンから待望の二カ国語版を独占日本初放送!

※「いいチームの日」とは?
「チームワークあふれる社会をつくる」を企業理念とするサイボウズ株式会社により、“チームワークの重要性”を発信し、認知度の向上と促進につなげることを目的に、2008年に制定された記念日。日付の由来は、「いい(11)チー(2)ム(6)」と読む語呂合わせから。

イコライザー(シーズン5・全18話)
字幕版:11/26(水)夜10:00スタート 
毎週水曜夜10:00から2話連続

※二カ国語版の放送日は決まり次第お知らせします。

 独占日本初 

★新シーズン直前!
イコライザー(シーズン3~4・全28話)
字幕版:11/7(金)午後1:15スタート 
毎週月曜~金曜午後1:15から2話連続
※10/16(木)よりシーズン1から放送中

>>番組サイトはコチラ

シカゴ・ファイア(シーズン12・全13話)
二カ国語版:11/7(金)夜10:00スタート 
毎週金曜夜10:00

 二カ国語版 独占日本初 

>>番組サイトはコチラ

シカゴ P.D.(シーズン11・全13話)
二カ国語版:11/7(金)夜10:55スタート 
毎週金曜夜10:55

 二カ国語版 独占日本初 

>>番組サイトはコチラ

月曜~金曜夜7:00は…
【最強チームアワー】

平日の夜は、数々の難事件に挑む、最強チームの活躍を描くドラマを放送!
一人では困難なことも仲間となら立ち向かえる!チームの絆で事件を解決するクライム・アクションを放送!

アクションチャンネルについて

欧米を中心に世界中から厳選したアクションドラマを24時間オンエアしている日本唯一のアクション海外ドラマ専門チャンネル!全米大ヒットの「イコライザー」や、「シカゴ・ファイア」「シカゴ P.D.」「シカゴ・メッド」のシリーズ3部作など最新の海外ドラマを独占でお届け!さらに、「ハドソン&レックス」をはじめとした「レックス」シリーズや「リサーチ・ユニット」シリーズ、「プロファイリング パリ犯罪捜査課」や「フラッシュポイント -特殊機動隊SRU-」などのメガヒット海外ドラマを豊富にラインナップ!スカッと気持ちを晴れやかにし、奮い立たせる、刺激溢れるドラマとの出会いをお届けします。

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アクションチャンネル編集部
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